職に従事するための心の構え。これから新しい環境で頑張る人にお節介ながら伝えたいこと。

今回は長ーいつぶやきみたいなものなのであしからず。

当社は東大阪市にある町工場です。

朝から晩まで機械を運転して糸を作っています。

自社設備で作るのはあくまでも少量のサンプルで、本生産は外部の工場さんに委託加工で作ってもらっています。

そういった意味では純然たる町工場ではないのかもしれません。

けれども、実際に糸を手にして油やほこりにまみれながら仕事をしていることを考えると、やっぱりここは工場なんだろうと思います。

最近たまたま仕事を辞めて転職するつもりだという人と話をする機会が重なり、彼らの業界・会社・待遇などへの不満を色々と聞くことが続きました。

それぞれの転職理由も様々ですが、いずれにせよ現状に満足していないということには違いないでしょう。

そこでふと自分自身について考えてみました。

自分は経営者なので、会社員で転職する人とは全く違う前提になりますが。。。

自分は今の環境に満足しているのだろうか?先行きの不安は?自己実現はかなっているのか?

自分のやりたいことってそもそも何なのだろうか。

もう若くもないので日々の暮らしの中でこんな青春めいた疑問を持つことはありませんでした。

改めて考えた結果、特に何も思いつかない。

今の仕事が天職なのかと人に聞かれたら返答に迷います。

もともとファッションに興味があったわけでもないし、父親の独立開業を手伝う形でなんとなく始めた仕事です。まぁそれも18年も前の話になりましたが。

ただ、ひとつ言えることは毎日楽しんでやってます。

経営から逃げ出したくなることもいっぱいありますし、自分の息子に将来同じことをさせたいかというとそうも思いません。

糸の販売で稼げる利益なんて薄利ですし、突然の特需で大きな利益が上げられるようなチャンスもまず来ません。

けれどもなぜか楽しい。

仕事を始めたころは全くそんな風に思わず漫然と働いていたし、好きでやっているわけでもないと斜に構えていました。

けれども、ある年数に達してからは何をやっても楽しく感じるようになりました。

機械を効率よく回すのも楽しいし、カラーカードの配色を考えるのも楽しい。営業で各地に行っていろんな人と話をするのも楽しい。

仕事の内容は始めたころも今もそれほど変わっていません。

ただ自分が楽しいと感じるようになっただけで、もっと言えば楽しみ方が分かってきただけのことなのでしょう。

今から思えば、もっと早くに何事も楽しめるように自分をうまくコントロールできていたならと感じます。

だからこれが天職だということで、もう良いんじゃないかと思ってます。

だって楽しいのにお金をもらえるんだもの。

楽しいと思える感覚を受け継げるのであれば、息子にもこの仕事を勧めてみても良いかもしれません(笑)。

けれど何よりも、どんなことも楽しめる子に育って欲しいという思いがありますので、まぁこの仕事じゃなくて良いか。

それはさておき、

大学生の希望就職先のランキングを見ると、上位に金融機関や保険会社などが相変わらず沢山入っています。

やはり給料が高くて安定しているというイメージがあるのでしょうね。

この人たちはニュースをちゃんと見てるのかな?とも思いますが。。。

ともかく我々のような町工場に進んで就職したいという人は少なくとも少数派でしょう。

けれど、安定した収入があって居場所があっても転職する人がこれだけいるところを見ると、ポイントはそこじゃないんじゃないかと思います。

転職して次の職場に行く人たちや新卒の学生さんたちに向けて私が言えることがあるとすれば、「仕事覚えるより先にどんなことでも楽しめるスキルを早めに会得しような!」ということになるでしょうか。

だって楽しいのにお金もらえるんだもの。最高だよ。

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