粗野な風合いのセミウエットリネンが久しぶりに人気です。

2019年の春夏シーズン向け素材開発が進んでおります。

開発というからには基本的に新しい素材や加工を取り入れた商品作りが中心となります。

けれども新しい加工技術がそう頻繁に編み出される訳でもないので、以前に一度流行ったものを少しだけ手直しして見え方を新しくしてお出しすることもあります。

かっこよく言えばリバイバル、泥臭い言い方をすれば焼き直しです。

何年か前にリネンブームがやってきて、様々なリネンの企画が登場しました。

ベルギーのコルトレイク(現地の発音ではクルトレイが近いでしょうか)地方のリネンであったりフランダースリネンであったり、産地を謳い文句にしたリネン企画がいっせいに登場しました。

その流れは落ち着いて、結局は最もメジャーなフレンチリネンを謳い文句に商品展開しているものをよく見かけます。

その他リネンのトップ染めを用いたメランジやインディゴ染めなどカラーを多彩にアレンジしたものも出てきたりして、当社でも中白染めという手法を用いたメランジ染めを展開しています。

多くのリネン企画が生み出された中、粗野なリネンを好まれるお客様向けに以前流行ったのが、タイトルにも書きましたセミウエットリネンといわれるタイプです。

リネンには3種類の紡績方法があり、毛羽を抑えて光沢のあるきれいな糸を紡績するためのウェットスピニング、リネンの短い繊維を集めて粗い糸を紡績するドライスピニング、その中間にあたるセミウエットスピニングです。

セミウエットスピニングで紡績されたリネンだからセミウエットリネン。

特徴は少し毛羽があって天然のスラブ形状をもつ糸が生み出す粗野感と張りのある風合い。

凹凸感のあるナチュラルな表情で肌ざわりはドライ。

ドライスピニングのリネンに比べればずいぶんましですが、少しチクチクするので苦手な人は苦手です。

いかにも麻らしい麻といった感じですね。

この糸そのものを普通に編んでも十分に存在感のあるニットになるのですが、当社ではこれに細番手のリネンを撚り合わせてカラフルにアレンジした商品を以前から販売しておりました。

詳細はこちら。

http://www.eppyarn.co.jp/colorcard/kyle.html

数年前に作った当初とても人気のあった商品です。

ここ数年は綺麗めなリネンを好むお客さまが多くほとんど出荷することがなかったのですが、来季に向けてまた再びこの糸のリクエストが増えております。

ファッションは反復横跳びみたいに行ったり来たりするので、ナチュラルなものが流行ったりケミカルなものが流行ったりを繰り返します。

このセミウエットリネンの人気が戻って来ているということは、来期はまた少しナチュラル寄りなトレンドになるということなのでしょうか。

以前に人気のあったものではありながら少し手直しした方が新しいトレンドに合うのかなと思い、今回はこの素材のもう少し細い番手のものをご用意しました。

元々の番手は1/3.8NMですが、新たなバージョンは1/5.7NM。

横編みニットのゲージで言いますと3GGにしか使えなかったものが5ゲージに使えるようになります。

ナチュラルでカラフルな当社らしい商品です。

ご興味のある方はお知らせくださいませ。

いつの間にか宣伝になってるあたり、青汁のテレビCMみたいになってしまいましたね。。。

コメントを残す