そういえば会社を始めたばかりのころは。。。

先週は台湾に出張に出向いて色んなお店に飛び込み営業をしていました。

初めて降り立った見知らぬ国で何のツテもないところから商品の営業をしていくことはなかなか楽しく、久しく忘れていた感覚を取り戻したような気分になりました。

エップヤーン有限会社という会社を父親とともに立ち上げてから17年になりますが、ここ数年は新規客先に営業に出向く場合も知人のご紹介を得てのケースがほとんどだったので、新しい関係性を比較的スムーズに作ることが出来ていました。

しかし、元々全く無名の会社としてスタートして少しずつ客先を開拓していった身としては、いつの間にか忘れかけていた雑草魂というかインディーズ魂というか、そういった負けん気のようなものをこの台湾出張で久々に思い出すことが出来たので良い機会だったように思います。

思えば会社を始めたばかりのころはどの客先に伺ってもまずはちょっと怪しまれつつ、いぶかしげな目で見られつつ、自分のプレゼンの実力不足もあいまってギクシャクして上手くいかないミーティングばかりでした。

お客さんからのあたりも強く、「御社のもってくる程度の商品なら他所の糸屋からいくらでも手に入るよ」とか「このくらいの糸なら中国で同じようなのが半値以下でありますよ」なんてざらに言われていました。

それくらいならまだやさしい方で、「こんな糸うちの会社ですぐにコピーできますよ」とか「このご時世に新しく糸屋さんを始めるなんて商売が上手くいくはずがない。持続性を考えても危なっかしくて取引できないです。」なんてことを言われたケースもあります。

当時はこういったセリフを聞くたびに「いつか見返してやる」と憤っていたりもしましたが、自分が経営者になった今になってみると確かに無謀なことをやってきたなと思うし、自分が当時の客先の立場になったら同じような対応をしてしまうかもしれないなと思います。

自分が最初にそういった経験をしていることがあるので、当社に来られる様々な新規営業の人に対して出来るだけ話を聞くようにしています。

金融機関、コーヒーメーカー、新聞、地図、コピー機、この一ヶ月だけでも様々な営業の方がこられました。あまりに忙しい時は無碍にお断りすることもありますが、基本的にはまず2~3分はお話を聞きます。

大抵の場合成約に結びつくことはありませんが、お互い少し話をしてなぜ我々に必要ないのかを端的に説明すればほとんどの営業の人がしっかりあきらめてくれるので、案外グズグズと食い下がってしつこく営業されることは少ないです。

なにより飛び込みで来ていただいて実際にそのままお付き合いが始まったケースが何度もあるため、これも出会いであると思うと話を聞いてみたくなるものです。

ちなみに今当社で働いてもらっているパートの女性は、本人が職を探すうち色々と調べた結果当社を見つけ出して面接して欲しいという申し出をしてこられたわけですが、その当時当社では全く人材を募集していませんでした。
けれどもわざわざ当社を指名して働きたいといってくれるのであれば、これはお話を聞かねばと思いすぐに面接をして即働いてもらうことになりました。

これはさすがに珍しいケースでしょうけれども、こういう気持ちや熱意がお互いに通じた方が何事においても上手くいくのだと思います。

そういったいろんなことを今回の台湾出張をきっかけに思い出しました。

初心忘るるべからずとはよく言いますが、実際多忙な毎日の中ではより手堅く安全な方を選択してしまいがちです。

そういうぬるま湯に甘んじすぎないように、常に新しいことに挑戦すべきであって、いつも気を引き締めていかねばならんと思い直しました。

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