別注糸を作ることの敷居の高さ

「社内に撚糸機があるので小ロットで別注糸を作ることが出来ますよ」という提案をよくやるんですが、なかなか別注品の糸まで作ろうというお客さんは少ないです。

別注糸というもののハードルが高いイメージなんでしょうね。確かに在庫品よりは納期がかかるし、小ロットといっても在庫品を買うよりは沢山作らないといけないのでコストも含めてハードルはちょっと高いと思います。

でも、糸から別注で作られた洋服の方がオリジナリティは増すんじゃないのかなと思ってますが、どうでしょう。

洋服で言うところの別誂えとなると一人一人のサイズに合わせて寸法を採って、生地も気に入ったものを選んでとなるので、これはいわゆるフルオーダーです。テーラーメイドとか言うともうちょっとカッコ良い感じでしょうか。ともかくこれはかなり敷居が高い印象です。

それに対してイージーオーダーというのがありますが、これはある程度決まったサイズや生地の中から選んで組み合わせて作るのでややハードルが低い印象です。紳士服の大手メーカーなんかもやってるサービスですね。でもおそらくこのイージーオーダーでさえちょっとめんどくさそうなイメージでしょうか。

アパレルメーカーさんにとっては「別注糸」を作るというのはこのイージーオーダーに近いか、もしかしたらフルオーダーのイメージを持っている人も少なくないのかなと思います。

さて、実際機械を使って糸を作っている自分たちのイメージで言うと、別注品の依頼を受けた時の印象としては「この夏野菜のパスタのアスパラガスをブロッコリーに替えられますか」って聞かれるくらいの感じです。
もしくは「お刺身5種盛は6種盛にできますか」くらいの感じです。

ブロッコリーがあればいつでもやれますよ、お刺身が色々残っていたら種類は増やせますよというくらい。要するに作る手間は結局ほぼ一緒なんで、ご希望があれば聞きますよということです。

でも「夏野菜のパスタを野菜抜きで」とか「冬野菜でお願いします」とかの依頼になると、おっとどうしたものかなと躊躇はします。けど、とりあえずご希望に沿ってトライしてみるかとは思います。まぁこういうのはあんまりうまくやれないことが多いですが。。。

ともかく、実際に糸作りの作業を現場でやっている人間からすると、別注品を作ることはそれほど大した手間でもないのですよということが、お客さんに上手く伝わっていないのかなと思ってます。

もしくはそもそもそのニーズ自体が無いのか。。。まぁこれはあるかもな。。。悲しいかな。

それはさておき、当社に別注品をご依頼いただくときの心持ちとしては、吉野家でつゆダクを頼むくらいのノリで声をかけてもらえば良いんですよということです。

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