オーガニックでサステナブルだからエシカルである事とスピリチュアルの差が分からないのでマニアックな事のロジカルさを徹底すれば逆にコミカルだと解釈するのはシニカル過ぎますか?

今回はタイトルからいきなり理屈っぽいですね(笑)

最近またチョコチョコと服屋さんに出かけることが多くなってきました。

出張先の東京や名古屋、今週は金沢で色々なお店にぶらりと入ってお店の方の話を聞いて歩きました。

売り場の方のお話は勉強になることが多く、糸屋はもっと服屋さんに来なければいかんなと思わされる機会も多いです。

さて今回のお話はといいますと、ファッション業界に時々飛び交うLOHASやらエシカルやらの社会派なキーワードについてです。

洋服の形やデザインにまつわるトレンドではなくて、思想的なトレンドというのがたまに出現することがあります。

例えばフェアトレードという言葉。

フェアトレードジャパンのサイトによると、

「フェアトレードとは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」を いいます。」

ということらしいです。

貧困層を多く抱えた国に経済的な恩恵が届くように、富裕層が適正な価格と条件でモノを買いましょう、ということですね。

天然繊維であるコットンやウールは農産物であり一次産業に分類される分野なので、その供給をどうしても発展途上国に依存しがちです。そういった繊維原料を購入する時に無理やり買い叩いて不当に安く仕入れてはいけまんよ、ということです。

ファッションの業界に限ったことではなく、あらゆるものについて貿易が不公平なく行われることは良いことです。

問題は適正な価格というのを誰が決めるかということにあるんでしょう。この点についての詳しい話は今回は割愛したいと思います。

先にも書いたLOHAS。Lifestyles of Health and Sustainabilityの略語です。

NPOローハスクラブのサイトによると、

「LOHASは1990年代の後半にアメリカの中西部、コロラド州ボールダー周辺で生まれた新しいビジネス・コンセプトです。ボールダー周辺には、地球環境問題や農薬汚染の問題に危機意識を持ち、オルタナティブな生き方やLOHASな事業を始めた人たちが誕生しました。
国の政策と地球環境の持続性に危機感を持つ、社会企業家やクリエイティブな人たちがビジネスを通じて新しいパラダイムの創造を志した、これがLOHASの源流です。」

ということみたいで、正直何がなんやらいまいち分からないのですが、まぁそういうことです。

LOHASという言葉を説明するのにLOHASという用語が用いられているあたりが混乱の元なんだとろうな、と一応突っ込みを入れておきたいと思います。

エシカルという言葉は「倫理的な、道徳的な」ということを意味しています。

2~3年前くらいにどこかの大学生が言い出してちょっとブームになったみたいです。

フェアトレードと似た考え方ですね。

同じ洋服を買うにしても、せっかく買うなら誰かを不当な条件で働かせて作ったものではなく、関係者みんなが満足して作ったものを買いましょう、というような解釈で良いんでしょうか。

道徳的であることは人として最低の条件だろうと思っているので、これについてはわざわざ言わんと駄目なのかな?という気がしますが、大阪の地下鉄には「チカンは犯罪です」とか書かれていたりするので、言わなければ駄目なのでしょう。

つらつらと書きましたが、何が言いたいかといいますとですね、

理屈っぽいんですよ。

本音を言うと、もうエシカルファッションとか正直訳が分かりません。スピリチュアルくらい訳が分かりません。

そうまで言わないとファッションを楽しめないのかい?と思います。

これならば「糸の撚糸回数を何回にすると斜行が止まって、それが品質を安定させることに効果をもたらします」みたいな話の方がよっぽど分かりやすくないですか?

自分は理屈っぽい人間だと自覚しております。色んなところでマニアックだとかなんとか言われます。

しかし、素材のサステナビリティを考えて洋服を選ぶ人たちのほうがよっぽどマニアックなのでは?と思ってしまいます。

同じマニアックな趣味嗜好でも、アイドルオタクやアニメオタクの人たちの「可愛いから好き!」の方がよっぽど分かりやすいですよ。

オーガニックじゃないよりもオーガニックの方が環境負荷も低くて誰かの幸せにちょっとでも貢献しているのだという論調があるのは分かります。

では、発展途上国の綿花農場の農薬使用時とオーガニックに変えて以降の収益の違いや、そこで働く人たちの生活水準がいかに向上したのか、ということをきちんと説明できる人がどのくらいいるのでしょうか?

もしかしたら農場経営者たちは以前より儲かっているけれども、労働者の仕事は増えていて手取りは増えていないかもしれないです。

それをフェアトレードというべきでしょうか?

それはともかく、私は社会派を気取って世の中の矛盾や不自然に切り込むようなジャーナリズム的なことを言いたいわけではないのです。

「アパレル業界の理屈っぽい人たちの中では私の理屈っぽさはマシな方に分類されるのだ」

ということを言いたいわけです。

今回言いたいことは実はこれだけです。

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