先日モンスターオンスTシャツの生地に関する様々な物性試験を行っていることをこのブログでご紹介しました。
https://www.eppyarn.co.jp/hofi/blog/wordpress/archives/856
今回また新たに「破裂強さ」に関するデータを取得したのでご紹介したいと思います。
一般の方々にはおそらくあまりなじみが無いであろうこの「破裂強さ」という言葉。
実はアパレル製品の中でもカットソーと呼ばれるアイテムに使う丸編みの生地にとって非常に重要なデータで、多くのアパレル企業がこの試験データの提出を要求します。
詳しい説明については一般財団法人ボーケン品質評価機構のウェブサイトから引用いたします。
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一般的に編物に対して適用され、生地の内側から膨らむ力を加え、どの程度の力まで耐えることができるかを評価するために行う試験です。編物は織物と違い多方向に生地が伸びやすく、引張強さや引裂強さの測定が困難であるため、破裂強さで生地の強さを測定します。
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これでもまだ少し分かりにくいかと思います。
簡単に言うと「布の破れにくさ」を数値化して生地が丈夫かどうかを判断するための試験ということになります。
試験の内容についてもボーケンのウェブサイトのリンクを貼っておきますのでご参照ください。
試験データの数字はkPa(キロパスカル)という圧力を示す単位で表されます。
ボーケンのサイトには目安の数値が無かったのですが、同じく繊維製品の品質試験を行っている一般財団法人カケンテストセンターには「衣料品の一般的な目安値は、薄地編物で300kPa以上、厚地編物で400kPa以上となります。」とありました。
しかしこれはあくまでも「この数値以下になると強度に問題がおきやすいですよ」という意味なので、市販の衣料品に使用されている生地の数値はもう少し高めです。
実際他社でTシャツ用として納品された生地のデータでは863kPaという数字でした。
さて、モンスターオンスの生地はといいますと、見出しの写真の通り取得した数値は1500kPa以上というもの。
1500kPa以上なので、実際が1600なのか1700なのかは分かりませんが、おそらくそれ以上は計測できないか、する意味が無いくらい頑丈ということだと思います。
モンスターオンスの生地がまさに怪物級に頑丈であるということが数値で示されたわけですね。
生地の物性データについては今回取得したもので一先ず全部になります。
防炎性、UVカット率、汗じみ、スナッグ(生地の引きつり)、破裂強さ
どのデータについてもほぼ申し分ないデータが得られました。
これから4月前半にかけて実際のデザインでサンプル作成が進んでいきます。
楽しみです。