機械整備について。大したことは出来ませんが掃除はきっちりやります。

028

自社の機械をメンテナンスすることも製造業者の仕事です。

簡単なパーツの交換やネジの緩みなどの点検は自社のスタッフがやりますし、素人で手に負えないものは業者さんにお願いして修理してもらいます。

いつもベストコンディションで機械を運転することが、生産効率や安定した品質を維持するのに不可欠だと思っています。

特に当社の機械は試作に特化した小型のものなので、1箇所の整備不良が箇所によっては全体に大きく悪影響を及ぼすことがあります。

当社の撚糸機は20錘(すい)立てですが、これは20本の糸を一斉に加工するということを意味していています。本生産を請け負う工場さんの一般的な機械は120錘とか200錘というサイズなので、そこからするとかなり小規模です。

それがゆえに全体から見た1錘の比率が高くなってしまいます。1錘が動かなくなると1/20で5%、2錘だと10%の生産性ダウンです。これでは効率が悪すぎるので全ての錘が安定して動くように常にメンテナンスしておかなければいけません。

機械整備には非常に専門的な技術や知識が必要です。業者さんに少しづつ教わりながらやっていますがプロの技術をそう簡単に習得することも出来ないので、実際のところは機械を綺麗に掃除してあげることが日常の整備作業の中心になります。(機動警察パトレイバーの主人公である泉野明の心境に近いんですが、、。この例えだとほとんどの方に伝わらないかもですね。)

当社は主に天然繊維を加工しているので綿埃が沢山出ます。これが歯車や駆動部分に絡まって機械の故障や発火につながるので、掃除することも立派なメンテナンスだと考えています。

会社として初めての機械を導入した時はあまりに嬉しくて、サンプルを1品番作るたびに社員みんなで機械を掃除していました。手の届くところは全て手拭きです。

機械の下にたまった埃を掃こうとしたときに、機械の高さが低くてどうしても床掃除用のクイックルワイパーが入らないということがあって、機械メーカーさんに撚糸機の足を伸ばして高さをちょっとだけ上げて欲しいとお願いしたこともあります。

メーカーさんは今までそんな依頼を受けたことがないと言ってましたが、無理を言ってほんの数センチだけ調整してもらうために愛知県から東大阪まで車を飛ばして来てもらいました。

当社に最初の撚糸機が導入されてから4年が経ち2号機やリリーヤーン機、合糸機なども増えました。さて今はどうかと言いますと、相変わらず1品番作るごとに手拭きで機械を掃除しています。

生成りのコットンを撚糸したあと、別の生成りのコットンを撚糸するのにも機械を掃除しますが、これについてある撚糸工場さんから無駄な行為だといわれたこともあります。
では生成りのコットンの後に生成りのウールを撚糸する場合はどうでしょう、黒のリネンの後に黒のコットンでは?濃いネイビーのウールの後に黒のウールの場合は?

こう考えていくと、どの場合は掃除してどの場合は掃除せずに作業を継続するかという線引きが難しくなります。人間誰しも少しでも楽できた方が仕事もやりやすいし、場合によっては効率も上がるかもしれません。

しかし一旦基準を緩めてしまうと、品質維持のためには絶対にやってはいけない行為も効率化だといって推進してしまうことになるかもしれません。

なので、我々は常に機械を掃除します。

もしかしたら、自分たち自身が撚糸工場に就職して長年使い込まれた古い機械に触れることからスタートしていたらここまで神経質に掃除をしていないかもしれません。

自分たちが導入を決めて自分たちで運転する機械だからこそ愛着と責任を持って面倒を見るのかなとも思います。
しかし、機械が導入された後に入社した若者も機械を掃除しまくっているので、今のところそのスピリットは受け継がれているようで頼もしいです。

小さなことからコツコツという言葉は大阪の大物芸人さんの名言ですが、小さな機械を小さな工場で運転している我々にこそぴったりな言葉のように思います。

「日本の技術」とか「メイドインジャパン」とかそういったことを誇るよりも、当社としては機械をコツコツと掃除していますということを自慢したいです。

コメントを残す